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Feb 18, 2020

石司麻美のハーブ緑茶の世界 vol.7 6人のシェフのスイーツと「ティーペアリング」

先日、阪急うめだ本店にて行われた、第2回ケーキショー。

今年は、前半・後半合わせて6名のシェフの作ったデセール(スイーツ)とティーペアリングとして、日本茶をベースにハーブやスパイスをブレンドしたハーブ緑茶、「ホリスティックティー」を皆さまにお楽しみいただきました。


石司麻美のハーブ緑茶の世界 vol.7 6人のシェフのスイーツと「ティーペアリング」 photo

(様々な素材や仕掛けが散りばめられたデセール(スイーツ))



「え?チーズに日本茶?!」と意外に思われた方も多かったのですが、日本茶というのは世界中の飲み物の中でも、旨味成分をたっぷり含んだお茶。その“旨味”が、チーズの旨味と相乗効果でより美味しくなるのです。そんな、チーズと相性の良い日本茶をベースとして、スイーツのソースや風味、フルーツやチョコレートなどの味わいに対し、すっきりさせる、なじませる、アクセントにする、引き立てる、の4つのペアリングの目的でブレンドをしました。


石司麻美のハーブ緑茶の世界 vol.7 6人のシェフのスイーツと「ティーペアリング」 photo

(4種のホリスティックティー(ハーブ緑茶)メニュー)



一般的に、洋菓子のスイーツにはコーヒーや紅茶を合わせる方が多いと思います。甘さや香りが強い海外のスイーツに対しては、コーヒーや紅茶など、味わいがしっかりとした華やかな飲み物が合うと思います。しかし、繊細な味覚をもった日本人が作り、味わうスイーツには、コーヒーや紅茶では味わいが強すぎてしまうことがあります。そのため、味わいが緑茶、香りがハーブという旨味が主体となったホリスティックティーを合わせることで、スイーツと飲み物、両者の良さを引き出すことができるのです。


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(シェフたちのデセールとティーペアリング)



今回、シェフたちが考案したスイーツは、一般のスイーツでは思いつかないような、フォアグラやトリュフ、オリーブオイルなどを使用した、斬新且つ新しい味わい。そのような複雑なスイーツとペアリングさせるため、今回のブレンドは私自身にとってもかなりの挑戦でした。今まで使用したことのないハーブや組み合わせに挑戦したり、ブレンド比率も1%単位での微調整を繰り返しました。

前回の記事でご紹介した放置茶園の再生茶「生粋」の他に3種類、計4種類のお茶を、ティーペアリング用のメニューとしてご提案しました。


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(シェフたちのデセール(スイーツ)と4種のティーペアリング)



女性に人気だったのが、甘く華やかな香りが特徴の、リンデンというハーブを使用した「星鏡」というブレンド。さっぱりとした番茶ベースなので、チーズのコクや油分、スイーツそれぞれの甘味をすっきりと切り替えながら、華やかな余韻がやさしく香ります。


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(ティーペアリング会場の様子)



また、男女や性別を問わず人気だったのが、コクのあるチーズやベイクド系のスイーツと相性の良い、玄米茶ベースの「茜雲」。華やかなローズとスパイシーなジンジャー、やさしい爽やかさのスペアミントを組み合わせ、何層にも香りが重なるブレンドに仕上げました。


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(水出ししたハーブ緑茶をボトルに入れて提供しました)



ペアリングの組み合わせで人気だったのが、「花風」という、酸味のあるハイビスカスと華やかな香りのカモミールが印象的なブレンド。フルーツを使用したスイーツと相性が良く、特に今回、エダムチーズとフランス産の黒いちじくを使用した、とてもフルーティーでまろやかなチーズとバターの風味のフォンダンに対し、ハイビスカスの酸味がアクセントとなりつつ、濃厚なチーズとバターの風味をさっぱり切り替える組み合わせが好評でした。


石司麻美のハーブ緑茶の世界 vol.7 6人のシェフのスイーツと「ティーペアリング」 photo

(シェフたちとティーペアリングで初の共演)



様々な素材の味を感じようと、スイーツもお茶もしっかり味わうことで、脳の味覚回路が活性化され、味覚力の向上に繋がり、感性も豊かになります。

高級なものを味わう、ということではなく、季節ごとの旬の恵みを感じたり、作り手の想いを受け取ったりすることで、日々の食事に対して感謝の気持ちを持つことが大切と考えています。

そして、日本茶が持つ、“旨味”や奥深い味わいがあるからこそ成り立つティーペアリングが、もっともっとさまざまな所に広がっていくよう提案し続けます。