Mar 23, 2021
Asakoの「日々是静岡茶」vol.4 プライベートティーテラス「里山の茶の間」で茶畑を独り占め!
日本のどこにいても日本茶を容易に手にする事はできますが、実際に茶畑を目の前にしながら、そこで育ったお茶を楽しめる贅沢は、茶産地静岡だからこそ!
今回は、お茶のみならず茶どころの景色、空気をゆったりと貸し切りで味わえるプライベートティーテラス「里山の茶の間」をご紹介します。
川根の山あい、のんびり時間が流れる里山の茶園
静岡県中部、島田市内を流れる大井川沿いを川根方面へ上って行き、更に一本横道に入りしばらく山あいを進んだ先にある村、笹間。
こののどかな里山でプライベートティーテラスを運営しているのが、同地でお茶の栽培を130年以上にわたり行っている「深山園」さんです。
茶の間は90分の完全予約制となっており、予約窓口となっている「するが企画観光局」へ3日前までの予約が必要です。
当日の受付場所となっているのは趣あるご自宅の土間。その味わい深い佇まいに、早くも心が和んでしまいます。こちらで「茶の間」の説明をして頂いたら、茶葉、茶器、ポット、お茶請けなどの 「茶の間セット」を受け取り、徒歩で茶の間を目指します。
伺ったのは2月中旬。この日は同園の奥様なつきさんが、この地域のお話を織り交ぜながら「茶の間」まで案内して下さいました。
「茶の間」までの10分程の道のりは、まるで斜面に広がる茶畑に埋まったようにぽつぽつと古民家が点在するまさしく里山の散歩道。カモシカやサルもやってくる、のどかな空気が流れる中を進みます。
このあたりのお茶は立ち込める朝霧の中で育まれ、旨みと山の香りが豊かな味わいになるそうで、この後いただけるお茶への期待が高まります。
静かな茶畑の真ん中で、その茶畑で育ったお茶を頂く贅沢を堪能
360°茶畑ビューのティーテラスに到着すると、いよいよお茶をいただけます。
お茶はその時期ごとのオススメとなるそうですが、この日用意していただいたのは、三種のお茶。
それぞれ煎茶と和紅茶、青茶(烏龍茶に代表される半発酵茶)なのですが、全て目の前の同じ畑で育ったやぶきたということで、なんとも贅沢な飲み比べ体験に。
淹れ方の説明書もいただけるので、自分でお茶を淹れるのが不安な方でも安心して楽しめます。
冬季のささま煎茶は炭火焙煎。機械製茶が普及する前に一般的であった、焙炉(ホイロ)を用いて、炭火で火入れをしているそうです。手作業で完成された茶葉はとても美しく、お湯を淹れた瞬間からふわっと立ちのぼる火の香りが、寒い時期にぴったりです。
(山のお茶らしい旨みと澄んだ水色のささま煎茶。)
(同じくやぶきたの一番茶で作られた、山の和紅茶)
同じ茶葉から作ったとは思えないほど、煎茶と全く違う和紅茶。ほんのりと甘い優しい味わいです。この和紅茶とのペアリングの相性抜群なオリジナルのチョコレートも、ここでだけ限定販売されています。
心洗われるような風景と静寂の中、ゆっくりと流れる時間。
何より大切に育てられた茶畑を目の前にいただくお茶には、ひとまわり大きな感動が込み上げます。山の中ならではの空気が身も心も癒してくれます。
この日は途中で強風となり早めに切り上げたのですが、はらはらと舞う「風花」を見ることができました。街中ではあまり見られることのない大自然の演出も屋外ならではの醍醐味。
テラスで淹れられなかった青茶は、深山園さんで淹れていただけました。
こちらも煎茶品種のやぶきただからでしょうか、本場の烏龍茶より優しい味わいで、家族で食事を囲んで飲みたいお茶です。
「私は生まれも育ちも川根で。ワイルドさと品の良さを両方感じられる川根のお茶が本当に大好きなんです。ここは他の”茶の間”のような究極の絶景とはちょっと違うかもしれませんが、のんびり安らいでいただける場所です。季節ごとに表情が変わる田舎の景色を眺めながら私たちの大好きなお茶を楽しんでいただいて、ゆっくりくつろいでいただけたら嬉しいです」
そう語るなつきさん自身も明るく優しい雰囲気の方で、お話しているだけで心安らいでしましました。なるほど深山園さんのお茶が美味しい訳です。
里山の茶の間【完全予約制】
島田市川根町笹間上914(深山園 岡村さん宅)
※受付場所から茶の間まで徒歩10分
TEL:054-251-5937(受付窓口はするが企画観光局となります)
貸出時間:10:00〜18:00
※11/1~2/28は16:00まで